昨日のコメントに令和臨調について質問がありました。
少し令和臨調について触れたいと思います。
「臨調」という名前でピンときた方もいると思います。
かつて土光臨調とも言われた
第二次臨時行政調査会というものがありました。
これ以降、このシンクタンクもどき、
政官財から人を集めて改革策を打ち出す会議体のことを
なんたら臨調と呼ぶようになりました。
第二次臨時行政調査会は鈴木善幸内閣の時に政財界を中心にメンバーを集めて
行政改革についての審議を行うために発足したはずの組織でした。
しかしながら発足前に大蔵省に介入され、
行政改革のはずが「3年以内に赤字国債発行ゼロ」や
予算の伸び率をゼロにするゼロシーリングの導入なども抱き合わされ
「行政改革」ではなく「行財政改革」についてと話をすり替えられて発足しました。
三公社五現業民営化など今のJRや郵政民営化などの根っこはここにありました。
その後、自民党内で田中派の支配力が強まるほどに
金権腐敗政治が加速し、ロッキード事件、リクルート事件などが起き、
政治改革が叫ばれる中で宮澤内閣の時に
政治改革推進協議会(民間政治臨調)という組織が作られ
99年に新しい日本を作る国民会議(通称・21世紀臨調)
として改組されました。
この21世紀臨調は政界、経済界、学会、マスゴミ、言論、NPO関係者など
さらに人を集めて組織を肥大化させていきました。
21世紀臨調のHPにもありますが
「政治を変え、日本を変える」
という事を目的としています。
政府に対していろいろな改革を提言する組織ということになったのですが、
実態は集まった各業界の要望を政府に直接提言するための機関となっていました。
民主党が政権奪取確実な情勢となっていた2009年8月12日、
麻生太郎と鳩山由紀夫の党首討論が行われました。
数字や政策をに強く真正面から議論をしようとする麻生太郎
vs
無能すぎてせいぜい抽象的な話しかできない鳩山由紀夫
普通にやったら鳩山由紀夫が無能を晒して一方的に論破されるだけ
というのは事前に誰もが予測するレベルだったと言っていいでしょう。
2009年はマスゴミは産経も含めて全社が民主党政権を作るために
麻生太郎総理の発言をトリミングやパッチワークで意味をすり替えたり、
言っても居ないことを言ったように捏造したりと
露骨な報道犯罪を堂々と繰り返していました。
こうした経緯から自民党側は内容を捏造されないようにするために
この鳩山由紀夫との党首討論について
「ノーカットでの放送」
「生中継」
などの要望を出しましたが、
この党首討論の主催側とマスゴミは
鳩山由紀夫と民主党を守るためにこれらを拒否しました。
唯一ノーカットで中継したのが記者クラブなどの談合とは無縁なニコニコ動画だけでした。
この党首討論は最低でもドロー、あわよくば鳩山も健闘した
ということにすることが目的で、
あくまでも民主党による政権奪取のため、
実力を示した事にするために
21世紀臨調が主催したものだったと言っていいでしょう。
マスゴミは自民党を粉砕し、
日本破壊革命を実現するための民主党政権を作り、
また自分達が作る民主党政権を永続させるということを目的に
放送法に処罰規定が整備されていないのを良いことに
放送法をガン無視した徹底的な偏向と捏造を繰り返しました。
そんなオールドメディアが情報を支配していた中で
新聞に依存する経済界などのお偉方もまた
21世紀臨調のメンバーに入っていたわけです。
当然のように組織は「政権交代」「マニフェスト選挙」などとはしゃぎまくっていました。
ですので民主党政権を作り、民主党政権を正当化することが
21世紀臨調の活動になってしまっていたような状態でした。
その後民主党政権が行き詰まってくると、
21世紀臨調自身も全力でバックアップしたマニフェスト選挙だの政権交代だのについては
21世紀臨調の連中は1ミリも反省しないどころか、
そんな事実はなかったかのように振る舞い、
「民主党もひどいけど自民党も大連立で協力しろよ」
というような提言を行うなど無責任な組織でした。
少し話は飛びまして、
昭和30年(1955年)に石坂泰三(東芝社長)を会長に
日本の経済発展・生産性の向上のためのシンクタンクとして
「日本生産性本部」
が設立されました。
これが時代とともに組織がどんどん肥大化。
経済界、官界、政界、労組、赤デミー界隈など
ごった煮状態で人が集まりより広い分野で政策提言だけでなく、
コンサル等も手広く行う組織へと変貌していきました。
あげくに官界もがっつり食い込んでいることもあり
大量の天下りを受け入れる組織にもなってしまっています。
そうした背景もあって霞ヶ関からも
なにかしら理由を付けてこの組織に予算を出しており、
厚生労働省が
「地域若者サポートステーション事業」
という名目で日本生産性本部に予算付けをしていた予算を
2014年に安倍政権が事業仕分けを行って廃止すると、
同年の補正予算に厚生労働省が
「若者育成支援事業」
と名前を変えて予算を潜り込ませるなどして、
日本生産性本部に税金を流す事を維持するなどしています。
……あれ、ここまで書いて気付いた。
厚生労働省が村木や奥田らと組んでWBPCを通してやってきた公金チューチュースキームと同じじゃないですかね?
そんな感じですので、
やっぱり若年被害者女性支援事業みたいなのと同じように
若者の確保・定着に向けた無料コンサルティング支援(15法人限定)
なんてのを厚生労働省が
公益財団法人 日本生産性本部を委託先として予算を付けてやっている事業があったりします。
日本生産性本部はこんな感じで今や官民両方からお金を集めてたりする組織になっているようです。
話を21世紀臨調に戻しましょう。
民主党政権の体たらくからその影響力を一気に落とした21世紀臨調も
いつのまにやら公益財団法人 日本生産性本部・公共政策部となっています。
そんな中で新たに内閣に直接政策をねじ込もうという
新たな21世紀臨調として日本生産性本部を母体に発足したのが令和臨調です。
政界、経済界、官界、マスゴミ、赤デミー等々
魑魅魍魎……えーと、少しだけ言葉を選びましょうかね。
有象無象が集まったごった煮組織となってしまっています。
当然のように財務省や財務省の犬もここに紛れ込んでいるため
今年1月に
政府と日銀は新たな共同声明を出せ
というような提言を出したりしています。
広く意見を集めるという言い方をすればもっともらしく聞こえますが、
船頭多くして船なんとやらです。
この今年1月に令和臨調が出した緊急提言では
政府のやるべき事として以下のようにまとめられています。
――
戦略的かつ効果的な財政支出の重点化と構造改革の加速によって潜在成長率を高めるとともに、歳出入改革により持続可能な財政構造を確立する。
当面はプライマリーバランス黒字化の実現を目指すとともに、財政に対する信認を回復するために実効性ある仕組みと体制を構築する。
構造改革についてはこれまでの成果が限定的であった要因を分析・検証する。
その上で、労働移動の円滑化、医療・介護制度改革、経済・社会のデジタル化など潜在成長率向上や社会保障の持続可能性を確保するために不可欠な施策を、強力な実施体制で、集中的・継続的・徹底的に推進する。
歳出については、効果的かつ適切な規模のマクロ経済政策運営に努めつつ、長期的な成長力の向上と社会の安定に不可欠な政策に財政資源を集中する。
社会保障制度を、多様化する働き方に中立的なものとし、少子高齢化の現状を踏まえた公正な負担と給付を設計する。
これまでの政策評価の実効性を厳しく検証した上で、専門家を主体とする独立した第三者により、主要な施策の必要性と効果をエビデンスに基づいて常に検証し PDCA を回す体制を再構築するとともに、スクラップ&ビルドによる歳出構造の最適化を図る。歳入についても、社会経済環境変化に合った継続的な改革と歳出に見合った増収を図る。
――
集まった有象無象の要望を全部ごっちゃにして総花的にそれっぽくまとめてみました!!
というようなものでしかありません。
しかもしっかり
「プライマリーバランス黒字化の実現を目指すとともに財政に対する信認を回復するため実効性のある仕組みと体制を構築する」
なんてあからさまに財務官僚の
「いかに経済成長にブレーキを掛ける制度を作るか」
という政策がねじ込まれていることもわかります。
ブログ主が令和臨調をゴミみたいな組織と書いたのは
組織が肥大化しすぎてしまって、
食い物以外もぶち込んだ闇鍋みたいになってしまっていて、
有益な提言を行わせるために組織をスリム化しようにも手遅れであること、
それでいながら時の内閣への影響力を強めようとしていることなどが理由です。
さて、パヨクたちが連日コミュニティノート砲に撃墜されまくっていますが、
沖縄タイムスの活動家の阿部岳氏がこんなツイートをしていました。
――
阿部岳 / ABE Takashi @ABETakashiOki
公式の意図とは違って、ネトウヨがコミュニティノートを攻撃手段として使っているのは明らか。
日本のツイッター界はネトウヨが多すぎて、どんなアルゴリズムも超越してしまうのかもしれない。
このもっともらしい形式の新機能が、差別の道具に使われることを最も恐れている。
――
本邦マスゴミというのは業界全体で談合していてデマを流して世論を誘導する体制を維持してきたからこそ、
堂々と嘘を垂れ流し続けてユーザーを騙し続ける事ができたと言って良いでしょう。
しかしながら、コミュニティノートの導入によって、
マスゴミお得意のデマやレッテル貼り、印象操作が
その場で撃墜されるようになってしまい、
今までのようにできなくなってしまいキレ散らかしていると言ったところでしょうか。
そして自分達の思い通りにならない都合の悪い意見については
やっぱりこれまで通りレッテル貼りをして対抗するという手でしか反論できていないところが笑えます。
本邦マスゴミがこれまでどれだけ不誠実な言動を当たり前に垂れ流していたかを証明してくれているようなものです。
この記事のURL:https://pachitou.com/?p=6555
コメント
阿部記者は我々に乾いた笑いを与えてくれるかけがえのない存在ですね。
乾いた笑いというか、薄気味悪いというか、
なおも印象操作で凌ごうとする姿勢と、それを盲信する方々がいることに、嫌な印象を覚えますね。
何度もコミュ砲に被弾する阿部記者ってマゾなんでしょうか?
Z省の親玉と思ってた麻生総理すら
首をすげ替えようと画策してたんですかね?Z省は。
或いは、麻生ちゃんより担ぎやすい神輿の方を優先したのでしょうか。
それにしても…
闇が深すぎて、御花畑から目覚めた人なんか
歴史の繋がりまで理解出来てないと、なかなか難しいのでしょうね。
ゴッタ煮思考
日本?亜細亜?特有のものなのか、
意図的に施行してるのか…
政治以外の分野でも散見されるように思います。
各分野のエキスパートで其々が討論して最終的にトップが決断、
みたいな構造にはしないのでしょうかね。
まぁ、方法論は別にしても
其々が真に「日本をよくする」為に動くのなら構わないのですが
実際を見ると、そうは見えないですからね。
「よくする/変える」と言いながら
自分の思い通りになるまで「なんでも反対〜」
みたいな思考が見え隠れしてますね。
新聞記者っていいなぁ。
取材も調査も何もしないでただ「自民ガー」「日本ガー」「ネトウヨガー」と喚き散らすだけで
バカ高い給料もらえるんだから。
>令和臨調について
なるほど~!こういう流れだったんですね…
なんか色々と彷徨っていてんですが、流石ブログ主!という感じです。
>……あれ、ここまで書いて気付いた。
これなんですよ!
猛烈に予感がして彷徨ってました!(笑)
ブログ主のおかげで合点解決!
>阿部岳氏がこんなツイート
(^∀^)笑
昨日は「どんなアルゴリズムも超越」って言葉を思い出して(・∀・)ニヤニヤしてました(笑)
ジャーナリズムとかマスコミとかが本来やるべきアルゴリズムを超越してデマで扇動をする輩が何を言っているんだ?と…自分でやっているから出てくる言葉なんでしょうねぇ~w
プログラミングする方はアルゴリズムがどうのって初期に出会う言葉ですけど…
いやぁ~おパヨのエースが使うと一味違うなと…(笑)
プログラミングでアルゴリズムを超越できたら凄いな…
どんなプログラムか全く想像できないけど…w
機械は真正直だからアルゴリズムを超越したら阿部岳みたいに機能しないゴミとか超危険な暴走とか…という妄想。
珊瑚は大切に!ぱよぱよち~ん!
多分阿部某は「アルゴリズム」と言う言葉の意味を理解しない(できない)で使っているのでしょう。
でしょうね・・・
それに奴が超越って言い出したら法を無視したヤベェ事を考えてるってことなのかなと…w
今晩は。
結局は本来の目的の達成どころか、利権化をしてしまい、却って日本の状況を悪化させてしまっているという事ですね。
国民が政治に無関心である事や、特定勢力の言い分ばかり垂れ流しているマスコミの影響を受けているのも原因だと思います。
国民自身が当事者意識を持たない限り、日本は良くならないと思いますし、日本の為に尽くす政治家を確りと支援していかないと「あの悲劇」が再び繰り返す事になります。
いつも更新お疲れ様です。
>令和臨調
令和臨調の記事ありがとうございます!
設立の事情や組織の性質、問題点などがわかりました。各界の利害が絡んで各界から有象無象が集まったシンクタンクもどきで存在意義が何かわからない組織だったんですね。
>コミュニティノート
ツイッター改め×(ペケ?)のコミュニティノート常連さん阿部岳師匠の芸はますます冴えていますね!
コミュニティノートで突っ込まれて「ネトウヨガー」というのはもはや定番ギャグになってる感じですねw
で、さらにそれにコミュニティノートが付くとw
かつて土光臨調とも言われ、鈴木善幸内閣の時に政財界を中心にメンバーを集めて行政改革についての審議を行うために、第二次臨時行政調査会が作られた。以降、政官財から人を集めて改革策を打ち出す会議体のことをなんたら臨調と呼ぶようになります。
しかしその発足前に大蔵省に介入され、「3年以内に赤字国債発行ゼロ」や予算の伸び率をゼロにするゼロシーリングの導入なども抱き合わされ「行政改革」ではなく「行財政改革」についてと話をすり替えられた。三公社五現業民営化など今のJRや郵政民営化などの根っこはここにあります。
その後、自民党内で田中派の支配力が強まるほどに金権腐敗政治が加速し、ロッキード事件、リクルート事件などが起き、政治改革が叫ばれる中で宮澤内閣の時に政治改革推進協議会(民間政治臨調)という組織が作られ99年に新しい日本を作る国民会議(通称・21世紀臨調)として改組されました。
この21世紀臨調は政界、経済界、学会、マスゴミ、言論、NPO関係者などさらに人を集めて組織を肥大化させていきました。21世紀臨調のHPにもありますが「政治を変え、日本を変える」という事を目的としています。(抜粋引用ここまで)
これを読むと臨調とは、田中角栄が「秘書官としては優秀だが政治家ではない」と評した宮澤喜一が持ち込んだ官僚による政治支配機構であると思われる。
なんのことはないあの「悪夢の民主党政権」はこの「秘書官としては優秀だが政治家ではない」人たちによって作られたものであるといえそうだ。そして現在の岸田政権はまさに「政治家ではない人たち」によって動かされており、それは国民に取って悪夢になるのもうなずける。
「政治家では無い」
あのプーチンにさえ「プロの政治家」と言わしめた安倍元総理の存在があるだけに
余計際立ちますね。
自分が「議員=政治家」と呼びたくない根拠は、ここにあります。
巷では、議員を全てひっくるめて「政治家」と呼称する妙な慣習?がありますからね。
どんな組織も肥大化すると有象無象になってしまう というのは仰る通りだと思います。極論すれば組織の大衆化が目的を曇らせるといったところでしょうか。
人類は学問の大衆化によって幅広く優秀な人材を見つけることに成功しましたが、同時に本当に大切に考えなくてはならない思想まで大衆化してしまい、言葉の意味を陳腐にしてしまった部分もあるかと思います。
時代が下るにつれ、理解力の乏しい影響力を持った人間が分かったような口をきいてドヤり、それは意味が浅いから受け継いだお弟子さん達は物事を深く考えられなくなってしまう。という流れで何千年。こういう界隈が根強く存在します。
プラトンさんやお釈迦様から二千年以上経っても人間の精神性が1ミリも進歩していないように感じる理由は、何でも大衆化してしまうことなのかもしれません。
毎日の更新ありがとうございます。
>秘書官としては優秀だが政治家ではない
協力者を「寄生虫」呼ばわりして後ろから撃たれたダグラムの某キャラを思い出しました。