悪評が広まりきったらおしまいですよ

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(※本日は長くなったので二本に分けています。)

こんな記事があったので昨日に引き続いて酒のお話から。

【ロシアで人気、謎の日本製ウィスキー 入手困難な有名ブランド代替、ロシア産も登場へ】

(2019/10/29 JBpress)

KENSEI(剣聖)
KAIYO(海洋)
NOBUSHI(野伏)
TOKINOKA(刻の香)

という謎のジャパニーズウイスキーがロシアで売られているという記事ですが、
この記事ではそれらのウイスキーの出本については調べていません。

tokinokaは「あかし」で知られる江井ヶ島酒造が海外向けに作っているもののようなので
こちらに関してはジャパニーズウイスキー扱いでいいでしょう。

ですが剣聖と野伏についてはとりあえず企業名は伏せますが
海外サイトを見ると原酒に嘘の来歴まで付けているものまでありました。
OEM元もほぼ特定しましたがそこも伏せます。
バルクウイスキーのブレンド品を仕入れてジャパニーズとして高付加価値で売る。
本当にひどい話です。

海洋についてはもっと悪質かもしれません。
大阪のレンタル事務所にペーパー事務所を置いて電話を転送しているようで、
おまけにバルクウイスキーのブレンドしたものを3ヶ月間ミズナラ樽でフィニッシュした。
という代物のようです。

近年はニッカ、サントリー、本坊酒造、ベンチャーウイスキーなどの製品が
海外で立て続けに賞を取っていることもあり、
ジャパニーズウイスキーは非常に評価が高いので
当然のように転売目的の中国人観光客の買い占めなんかもあって
都内の酒屋では山崎なんかは必ずバックヤードにおいて
客が直接触れないようにしていたりする所もあります。

国内外での高い評価につけ込んで
輸入したバルクウイスキーをブレンドしただけのものを
ジャパニーズとして売って荒稼ぎしようとした
「倉吉」
なんてのが日本国内でも問題になった事があります。

倉吉についてはdistillery、
つまりパッケージもはっきりと蒸留所と付けてあり、
観光客がジャパニーズウイスキーとして間違えて買うのを狙ったようなデザインでしたのでより悪質でした。

ただ、それというのも日本では
ジャパニーズウイスキーの定義が存在しないという事が背景にあって
そこにつけ込んでいるわけです。
(それにしても自分の所で蒸留してない輸入スコッチのブレンドなのに蒸留所を名乗ってるのは詐欺みたいなものですが)

これにも酒税法が絡んでくるわけです。

日本はかつて日本酒=粗悪品のイメージを作ってしまった
悪名高き三倍醸造(醸造用アルコールと水と調味料で原酒をがっつり薄めて量を増やす)が幅を利かせていた時代がありました。
生産者の地道な努力でいま日本の酒はようやく海外でも評価されるようになってきました。

ウイスキーもまた同様で、ウイスキーに醸造用アルコールを90%まで混ぜても
ウイスキーと名乗れるように今でも法律で甘くしてあります。

当然、醸造用アルコールで薄めると味も香りも色も薄まるので
色と味を調整するためにカラメルも添加されます。
このカラメルについても表示義務がありません。

財務省の考えは昨日取り上げたビールとは真逆で、
ウイスキーについては厳密にちゃんとした定義を設定すると、
醸造用アルコールで割りまくった
言うなればまがいもので稼いでいるメーカーが割を食って
酒税が減るのではないかという懸念もあるようです。

ウイスキーの酒税は品質に関係なく量にかかっているので
ウイスキー原酒を醸造用アルコールで10倍近くに薄めた
ウイスキー風味の何かであっても量を作ってくれるほうが税金に貢献する
という狙いがあるのでしょう。

ブログ主もかつてはウイスキーが嫌いでした。
それは最初に飲んだウイスキーが
醸造用アルコールとカラメルで風味を調整された安物ウイスキーだったからです。

ウイスキー初心者ほどいいウイスキーを飲んだ方がいいと思います。
ブログ主は今でもウイスキー初心者には良いウイスキーを飲ませるように心がけています。
(ウイスキー沼でお待ちしておりますよ)

日本のメーカーの長い努力のおかげで
ようやく高い評価を得られるようになった日本のウイスキーですが、
こうやって日本の法律が目先の税収しか考えていない構造ということがあり、
粗悪品を量産して市場に流通させる事がまかり通っています。

ジャパニーズウイスキー人気に便乗した粗悪品の流通を
法制度が助長していると言っていいでしょう。

いずれジャパニーズウイスキーの評価を地に落とす原因になるでしょう。

あ、ちなみにトップバリュウイスキーというのがありますが、
あれはブログ主の中では「ウイスキーの風味がする甲類焼酎」です。
(実際に9割が醸造用アルコールなんだから9割が甲類焼酎みたいなものですから)
下手に少しだけウイスキーの風味があるので
甲類焼酎としてウーロンハイなどに使うことができず、
ウイスキーとして飲もうと思えば味も香りも薄くいまいちで
水割りやハイボールにしたら壊滅的な味になるという困ったヤツです。

世界的なウイスキーブームのおかげもあって
日本国内でウイスキー製造免許を取得する業者も増えましたし、
新興ウイスキー蒸留所が次々に出来ています。

ですがウイスキーというのは困ったことに
何年も樽の中で熟成させなきゃいけません。

その間にウイスキーブームが終われば
本来得る予定だった売り上げが出なくなるわけです。

ニッカの竹鶴、宮城峡、余市
サントリーの白州、山崎、響など、
12年などのいわゆる熟成年数表記のものが市場から消えました。

これは世界的なウイスキーブーム、
そしてサントリーが仕掛けたハイボールブームなどのおかげで
ウイスキー原酒が日本のメーカー各社とも不足してしまって
十分な量を確保できないからです。

2000年代は日本のウイスキーメーカーにとって冬の時代でした。
ウイスキーが売れず当然ながら生産調整していました。

ウイスキーは10年、20年と長い時を樽のなかで寝かせるほどに
味が深くなっていくものなので
(長すぎて不味くなるものもありますけど)
2000年代の生産調整の反動もあって各メーカーとも原酒が確保できないのです。

本場スコットランドでは90年代にウイスキー冬の時代がありました。
そしてこれに耐えられず操業を停止し、消えていったウイスキー蒸留所が山ほどあります。

ウイスキーというのは時間がかかるお酒です。

近年創業を始めた日本のウイスキー蒸留所達が
それぞれの作ったウイスキーの完成形を見る前に潰れる
ということも大いに起こりうる可能性として考えなければなりません。

ですから、ウイスキー飲みの人は
ウイスキーを細く長く愛してあげてほしいと思います。

でも、そのためにも真面目にウイスキー作りに取り組んでいるメーカーのためにも
醸造用アルコールとカラメルで調整したものとは
同じウイスキーというカテゴリーで販売できないように
かつてのようにウイスキーの等級を復活させるとか
ジャパニーズウイスキーの定義をきちんと作るとかすべきです。

法律がこうなってるんだからうちのウイスキーだってジャパニーズだ!
そうやってバルクウイスキーをブレンドしただけなのに
倉吉蒸留所なんてラベルを付けて売っている
松井酒造合名会社は自前でもウイスキー蒸留を始めています。
ですが、身から出た錆というべきか、
ウイスキーファンからは目の敵にされていたり、
一部ウイスキーを愛する小売店からも白い目で見られて
販路拡大にずいぶんと苦労しているようです。

真面目にウイスキーを作ろうと取り組んでいるメーカーのためにも
ジャパニーズウイスキーのブランドを地に落とすような制度は放置されるべきではありません。

で、ついでにここでバルクウイスキーと書いてきましたが、
そのバルクウイスキーについて補足。
サントリーなどの大手もこのバルク原酒を仕入れてブレンドしています。

製造元の名前を出せないけど、
ウイスキー原酒としてブレンド用に売られているウイスキーとして
バルクウイスキーがあるのです。

ウイスキーというのは長い時間をかけてようやく現金化という商品ですから、
当然ながら10年待てずに現金を確保したり、
あるいは樽の状態が持ちそうにないのでとりあえず売ってしまえとか
それなりに事情があってバルクウイスキーという商売が成り立ってきました。
スコットランドでは割と長い歴史があったりするバルクウイスキー販売業者もいるほどです。

こうしたバルクウイスキーを使っても
現行の日本の制度上では
日本でブレンドしとけばジャパニーズウイスキーと名乗れてしまうのです。

そしてサントリーはその代表例ですが、
当然ながら大ブームが来てもきちんと出荷量を増やして対応してきました。
普及価格帯のウイスキーはバルクウイスキーによって支えられていますから。

バルクウイスキー自体には特に問題はありません。
ウイスキーというのは熟成された環境などでも味も香りも変わるので
味や香りの深みを出そうとして他国のウイスキーを混ぜるのだって全然ありです。

問題は日本の場合はその表記が不要で
特に隠す傾向が強いという事です。

たとえばニッカはかつて閉鎖されていたスコットランドのベンネヴィス蒸留所を買い取って再建させました。
そしてこの再建させたベンネヴィス蒸留所で作られた原酒は
ブラックニッカにもしっかりブレンドされています。
宮城峡や余市蒸留所の原酒には出せない
ベンネヴィス蒸留所のウイスキーの独特の香味が
ブラックニッカの土台の一つとなっているわけです。

こういう背景から
昨年から始まった東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)では

ジャパニーズウイスキーの定義

TWSCは日本でつくられるウイスキーについて、以下の3つのカテゴリーに分けることにする。
     ①ジャパニーズウイスキー(日本ウイスキー)
     ②ジャパニーズニューメイクウイスキー(日本ニューメイクウイスキー)
     ③ジャパンメイドウイスキー(日本製ウイスキー)      である。
①のジャパニーズウイスキーは、日本の蒸留所で糖化、発酵、蒸留を行い、日本国内で熟成を行ったウイスキーのことで、以下のすべての項目を満たしてはじめて、ジャパニーズウイスキーと呼称できるものとする。

1.糖化…穀物を原料とし、大麦麦芽の酵素、あるいは天然由来の酵素(麹を除く)によって糖化を行う。
2.発酵…酵母によってこれを行う。
3.蒸留…蒸留はアルコール分95%未満で行う。
4.熟成…木製の樽、あるいは木製の容器によって行う。熟成は2年以上とする。
5.瓶詰…アルコール分40%以上で行う。色調整のための天然カラメル(E150a)の添加は許される。
※原料の大麦麦芽については、国産・外国産どちらを使用しても構わない。

ジャパニーズウイスキーとジャパンメードウイスキー
というカテゴリー分けを作っています。

美味しいウイスキーになるのならどこの国のものだろうと混ぜればいいでしょう。
でも醸造用アルコールで薄めて量を増やし、
カラメルで色と味を調整する。
そんなものと全く同じ「ウイスキー」として売る事が出来るままなのはやはり問題でしょう。

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コメント

  1. もう、四十年も昔、
    惨捕りのイニシエを売りまくっていた頃、イニシエがだんだん不味くなり、その上の控えを飲み出し、今度は控えが控えおろう、とダメになり、次の余りにまろやか過ぎて飲まなかった王室が、ん?何コレ?となって、ヒビキがー…とかバカ高いものが出てきた、そう思っていました。
    たまに、安い白色を飲んで荒削りだけど、こいつの方がマシだな、とか思っていました。
    売れるにつれ、ちゃんとした量を確保出来ず、コーナーや以下の酒を混ぜ始めたな、と思っていました。

    その頃その後、余市のメーカーの酒の方が良いのに、と思いつつ宣伝の差かなあ〜、経営者の人格かなあ〜、と。

    お白州も、15年くらい前、山梨の工場で買った酒と街中の酒店で買う酒の味が違っていたり、何なんじゃ、こりゃ?と。

    今じゃ、香りが消毒液〜‼︎などと言いつつ、朝起きて相当な匂いが漂ってる、シングルモルトばかりを飲んでいます。
    行きつけの店に置いている60本か80本のうち、半分ちょっと飲んだかな。

    呑まれずほろ酔いの酒好きに乾杯!

    • ウイスキーブームがくるたびに保有原酒量と蒸留可能量に対して出荷数がやたら増えるので寿屋さんは国会でも問題になってたりしました。

  2. 初心者に飲ませるウィスキーの選択の仕方が気になります。
    一杯目を飲んで感想を聞いて二杯目を選択すると思いますが、どんな感じのフローチャートになるのかなと思いました。

    私は、ウィスキー初心者には、まずはカルヴァドスから慣れていったらってしています。
    ブランデーの方がイメージも良く飲みやすいと言われることが多い気がします。
    そこで「強い無理」って人にはラムでも飲んどけってなります。

    • 初心者さんにはストラスアイラとかグレンリベット・ナデューラ16年をオススメしてきましたが
      最近原酒不足なのか出回らなくなってきまして、
      オフィシャルのストラスアイラは終売しちゃいましたし。
      フルーティで香りのバランスも良いグレンリベット、甘みとコクの強いグレンドロナック。
      あとはボトラーズもので自分で味を見てこれならフルーティでとっつきやすいとかそういうのを選んでいます。

      あとはハーフショットで3つ4つチョイスして好みを探してもらうのもやります。
      シェリー樽熟成系(グレンドロナックとかマッカランとか)
      アメリカンホワイトオーク樽のフルーティさを素直に出してるグレンリベット。
      ピーティ系はカリラ。
      華やかな香りのリンクウッドなんかもいいですよね。
      あとは好みの方向で引っ張っていく感じですかね。

  3. とても勉強になりました。
    有難うございました。

  4. >ブログ主もかつてはウイスキーが嫌いでした。
    子供のころは苦手だった食べ物や飲み物が、大人になったら美味しいとか、飲みたいと感じる様になった人も結構いるんじゃないかと思います。

    そしてお酒はいつの間にか好きになってしまう代表選手の様な気がしますね。

    で、私がウィスキーに目覚めたのは、イギリス土産にハロッズというブランドのウィスキーをいただいて、ついでにそのままその友人と飲み始めたのがきっかけです。うむ!ウィスキーいけるじゃん!キタ━(゚∀゚)━!ってな感じ!後はもうブランドとか関係なく飲むようになりましたね(笑)。

    そしてウィスキーは蒸留酒ですから、おのずとラムやバーボンや焼酎とか泡盛とか…興味が湧いてきて自然と(笑)…早い話が美味しいアルコホールはなんでも有難く遠慮なく喜んで戴きます(笑)。という境地になってしまいました。アル中じゃないですよ!予備軍かもしれんけど…w

    でもね!
    カラメルだとか醸造用アルコールで薄めてとかは私でも分かります。
    あの飲んだ時のガッカリ感は酷いもんです。
    リキュールで売れよ!と言いたい!

    記事中にある通りで長い目で見たら業界の足を引っ張るのは間違いないと思いますね。

    そういえば食欲の秋ですが、秋茄子って言葉は有名ですよね。
    そして、世間一般の秋茄子と私の秋茄子は違うんです。

    秋の茄子は柔らかくみずみずしいとか言われていますが、
    私の場合は割れた茄子なんですよね。

    寒くなり始めるとどんどん割れます。その割れた茄子は固く独特の香りが結構強く発せられるのですが…これが食べたい!おそらく多くの人が特に美味しいとは感じない強い癖のある味なのですがこれがたまらんのです。(笑)

    でも子供のころは食べれるけど苦手な味でした。
    それが今は茄子といえば割れ茄子しか頭に浮かばないほどいつも食べたくてしょうがないのです。

    「秋茄子は嫁に食わすな」というのは昔の歌が由来らしいですが…
    私は割れ茄子なんじゃないかと妄想しています。
    ぱよぱよち~ん!

    • 焼きなすはちょくちょく作ります。
      薄めの出汁あんをかけて鰹節をかけて。
      美味しいですからね。
      そうなると相手は日本酒や焼酎でしょうか。
      肴に合わせて酒を選べる。
      日本は酒の種類が豊富ですから。これも日本の良いところだと思います。

      • >出汁あんをかけ…
        ならやはり日本酒が合いそうですね。
        (; ・`д・´)…ゴクリ…

        今「茄子 ウィスキー」で検索したらニッカの公式Twitterでは、
        『なすにたくさんの切れ目を入れ、チーズとベーコンを挟む!軽く塩胡椒を振り、オリーブオイルをかけて焼いたら完成じゃ!』
        なんて呟いていましたね…ゴクリ…(`・д´・ ;)

        なるほど!
        やってみる価値はありそうです。
        ぱよぱよち~ん!

        • ウイスキーのあてなら「チーズ奴」もオススメ。

  5. たまに出てくるウイスキー話が好きです。
    僕は曲者を好むようで、バーボン沼にハマっています。
    2000年頃のセミ?オールドの安バーボンが、現在値頃で誠実に作られているので
    それらを中心にアイラをはさんで毎晩愉しませてもらってます。
    先日ウイスキーフェアで現行品を片っ端から味わいましたがアードベッグのウーガダールが
    美味しく印象に残りました。コリーヴレッカンも良かったですけど自分には早かったのかも
    しれません。
    いずれ、ウイスキーを愉しむことが出来て僕は幸せものです笑

    • バーボンはイーグルレアとかウッドフォードリザーブ、ワイルドターキーレアブリードを常備してます。
      あとはお手頃なところではオールドグランダッド114ですね。
      おそらくコスパ最高だと思います。

      あとはちょくちょくマンハッタンを作るので
      ライウイスキーとしてオールドオーバーホルトもストックしています。

      アードベッグの一発企画シリーズはドラムが美味しかったです。
      あとはベースウイスキーをアードベッグTENにしたバノックバーン(トマトジュースとのカクテル)なんかも美味しくて好きです。
      アードベッグみたいにバキバキのヘビーピーテッドではありませんが、
      毎年このくらいの季節に出荷されてくるアランのマクリームーア(できればカスクストレングス)も美味しいのでオススメです。

      ウイスキーを楽しめるのはほんと幸せです。

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