改めて小泉進次郞が強調している「聞く力」について整理。
まずは夫婦別姓推進の三原じゅん子議員のポストから。
――
三原じゅん子@miharajunco
とにかく細かく「なまごえ」を聞いて歩く、そんな地道な活動から自民党を変えていく、、、
それが小泉進次郎。
小泉進次郎 @shinjirokoiz9月22日
昨日は「なまごえプロジェクト」として二カ所で車座対話を開催。千葉県船橋市、埼玉県さいたま市で多様な「なまごえ」をお聞きしました。参加者の皆さん、企画していただいた皆さん、ありがとうございました!
#変われ自民党
――
かつて自民党が下野したときに谷垣禎一がやっていたことの焼き直しです。
2009年の下野後、火中の栗を拾うと谷垣禎一が総裁を引き受け、
有権者の意見を聞こうと全国を回りました。
そして保守政党として、結党の原点に立ち返って
国民の声を聞くべきと党の基本姿勢を見直しました。

これがその後の第二次安倍政権での国政選挙7連勝の土台になっていたと思います。
ですが谷垣が事故で引退し、
安倍晋三が人間のクズに暗○されると、
岸田文雄は障害物が無くなったとばかりに党内での派閥抗争を開始。
そして国民の声ではなく霞ヶ関ファーストの岸田派、宏池会の理想の政治を実現させました。
ですが霞ヶ関ファーストの政治は国民にとってなんのプラスもありません。
国民の声を無視して霞ヶ関の利権を維持拡大することが第一の政治なのですから。
そして現役世代に増税ばかり押しつけられて
使えるお金そのものが減りつづけて不満が拡大。
また、反安倍を拗らせすぎたため、
アベノミクスの
「経済成長で全体のパイを増やすことで分配できる賃金を増やす」
これを否定して
「分配(賃上げ)を先にやらせれば経済成長するはずだ」
と岸田文雄は自身の国家戦略だと文藝春秋に寄せた論文で語りました。
増え続ける社会保障負担に
若者の子育てを応援するなどと言ってさらに負担を増やすなどしました。
企業側の負担も大きくなる社会保障制度は
賃上げの大きな障害でしかありません。
「賃上げすれば一時的に優遇してやるよ」
「減税は絶対に認めない!」
としっかりとした具体的経済対策がないまま
賃上げ主導経済成長戦略を採ってきた岸破政権ではうまくいくはずがありません。
そうして現役世代はひたすら負担を押しつけられ続けるだけになりました。
結果、安倍晋三の時に多くの支持を集めていた現役世代が
まとめて自民党支持をやめてしまいました。
霞ヶ関ファーストの政治は
保守系の有権者や現役世代の声を全く無視して、
霞ヶ関のキャリア組の理屈だけで話を進める政治体制でした。
その霞ヶ関ファーストの政治に全力で乗っかっていた1人が小泉進次郞です。
谷垣禎一のように本当に地道に声を聞いて回る努力をせず、
SNSもコメントを規制したり検閲したりで誤魔化し、
あげくにステマコメントまでやっていた事がバレたようです。
今回の自民党総裁選でのやり取りから取り上げます。
――
Q:どうやって党の信頼を回復するのか?
小泉進次郞「国民の皆さんの声を聞く力を自民党は失ってしまったのではないか。谷垣総裁の生声プロジェクトのように私が総裁になった暁には先頭に立ち現場に行って様々な国民の皆さんの声を受け止め政策に反映していきたい」
――
「聞く力」だそうです。
それでは2020年自民党総裁選より。
――
岸田文雄@kishida230
テレビ出演前のフリップ書きです。
「聞く力」
私はこれを大切にする政治家でありたいと思っています。
チームの力を引き出し、国民の協力を引き出すため、リーダーには必須と心得ているからです。
――
どっちも有権者の声を聞く力なんて皆無で、
選挙大敗してきた原因を作ってきた人です。
彼らは有権者の声を聞く気など全く無いからこそ
「聞く力」
なんてアピールをしてしまうのかもしれません。
ちなみに野田佳彦、石破茂、岸田文雄は同じ年の生まれです。
ではお次は日経新聞の記事から。
【25年のスルメイカ漁獲枠を3割拡大 水産庁、豊漁で初の期中改定】
水産庁は19日、スルメイカの2025年の漁獲枠を2万5800トンと現状から34%増やすことを決めた。適用期間は毎年4月から翌年の3月までで、期中の改定は現行制度を始めた1998年以降で初めて。太平洋側の漁獲量が想定より増えており、枠の拡大要望があがっていた。
水産政策審議会(農相の諮問機関)で19日了承した。25年の漁獲枠を巡っては、水産庁が2月に前年比で76%減となる1万9200トンとした。資源保護の観点で1998年以降で最も少なくしていた。
今年は折り返し前の9月11日時点で枠の56%を消化した。各地で豊漁となっているもようで、漁業関係者から「すでに枠の上限に達してしまい、操業できず死活問題だ」といった声があがっていた。
期中の改定については、審議会の出席者から「今回の豊漁は一時的な可能性もある。科学的な根拠が不十分だ」といった意見もあった。漁業者の所得向上と資源保護のバランスは判断が難しくなっている。
(2025/9/19 日経新聞)
今年の6月。
小泉進次郞農水大臣は
「ウナギは絶滅の恐れはない」
と水産庁に指導されたままの発言を行いました。
環境省はニホンウナギを絶滅危惧ⅠB類(EN=危機)と評価しています。
レジ袋で有名になった環境大臣をやっていたはずの小泉進次郞が
このことを知らないはずがないのですが、
すっかり記憶になかったようです。
当ブログの6月29日の記事で
日本の水産庁の狂った漁業資源管理が乱獲を助長し、
水産資源の枯渇の原因を作っている事に触れました。
これもまたそのパターンです。
スルメイカはかつて数十万トンの漁獲がありました。
ですが近年は本当に水揚げが減り続けピーク時の3%にまで落ち込んでいます。
資源の枯渇が危惧され、水産庁は今年の漁獲枠を1万9200トンにまで減らさざるをえなくなりました。
ところが今年度の半年消化の時点で
すでに枠の56%を消化したことから、
水産庁は急遽6600万トン、34%の増枠を決定しました。
資源量が回復しているかどうかすら科学的に検証されていないのに
このままだと漁獲枠が足りなくなるから増やす
科学に基づかず欲望に基づいて漁獲枠を簡単に増やした形です。
水産庁は過去にもマイワシの総資源量を超える漁獲枠を設定したり、
漁業資源を守る気の全く無い資源管理を続けてきました。
水産庁は自分達が天下りしている業界との癒着を守る為にも
国際会議でニホンウナギの資源量減少を問題視された際に
小泉進次郞という知識も洞察力もない大臣に
「ニホンウナギの資源量は十分」
「十分な資源量が確保されており絶滅の恐れはない」
と発言させたのでしょう。
小泉進次郞が環境大臣の時に絶滅危機扱いにしてきたというのに
そのことをすっかり忘れているのか、
霞ヶ関ファーストの、官僚主導政治がすっかり身についてしまったのかはわかりませんが、
水産庁の無責任な漁業資源管理をそのままやらせているのでは
無能の誹りを免れないのではないでしょうか?
水産庁の今回の日本近海のスルメイカを絶滅させかねない
科学的根拠のない急な漁獲枠の増枠についてこんな事があったようです。
岸田派の議員で今回の自民党総裁選でも小泉支持の神田潤一とかいうのが
嬉々としてこんなポストをしていました。

――
神田潤一(衆議院議員2期目、法務大臣政務官) @Jun1CanDo
今日のデーリー東北に「スルメイカ6600トン増枠」「水産庁、TAC総量変更」という記事が大きく掲載されました。
八戸魚市場ほかの関係者と、#小泉進次郎 農林水産大臣や藤田水産庁長官にお願いした成果です!
これで「いかの町はちのへ」もさらに活気付きます!!
――
神田潤一が小泉進次郞農水大臣に
おねだりして急な増枠をさせたことを自慢しています。
やはり岸破政権の継続として小泉進次郞支持で集まった人達は利権と欲望に正直なのですね。
獲りすぎてきたから急速に資源量が減っていて、
1万9200トンまで漁獲枠を制限したのです。
いくらこれまで癒着先第一の無責任な資源管理をしてきた水産庁と言えど、
急な増枠なんて不自然だと思ったらこれです。
もはや呆れるしかありません。
ちなみにこの件では立憲民主党の逢坂誠二もこれです。

――
逢坂誠二 立憲民主党@seiji_ohsaka9月18日
長らく不振が続いていたスルメイカ漁ですが、
最近は水揚げが好調に推移する地域が増えており、
2025管理年度の漁獲可能量(TAC)19,200トンが不足する事態となっています。
このままでは、イカ漁のみならず定置網漁も休漁せざるを得ない状況も想定されました。
そこで本日、水産庁の担当者から状況を聞き取り、
6,600トンを増やす方向で確認しました。
明日19日の水産政策審議会資源管理分科会に諮問され、
決定すれば初の期中改定となります。
関係者にとって大きな朗報であり、
地域の漁業を支える重要な一歩です。
スルメイカ漁が好調な地域が多い中、19日のTAC6,600トン追加決定に対しては、安堵の声が寄せられています。
しかし一方で、
「6,600トンでは全く足りない」「八戸の漁船は2日で使いきる増加」との切実な声も数多く聞かれます。
週末ではありますが、関係者の不安を少しでも和らげられるよう、今後のTACについて水産庁と継続して協議を進めてまいります。
――
漁業資源が枯渇しかけて取れなくなってきていることが原因で、
資源を守る為に漁獲枠を設定しているのに、
枠が小さくて足りなくなる!
俺達はもっと稼ぎたいんだから枠をどんどん増やし続けろ。
こんな要求を口利きする与野党の議員。
そうした口利きをさらっと通す無責任な農水大臣。
何時まで経っても管理漁業ができない目先の事しか考えられない漁協と、
票田となる全漁連や水産加工業者に屈し、
日本の将来の事など無視して圧力をかける政治家。
そしてその手の団体を天下り先にしている都合から、
漁業資源管理を放棄し続ける水産庁。
霞ヶ関ファーストの政治という官僚主導政治で主体性なく、
自分の支持票のために動く担当大臣。
小泉進次郞の言う「聞く力」というのは
谷垣禎一がやっていたものとはまるで別物だと考えて良いでしょう。
コメント