派閥抗争となると一手先も考えずにやり過ぎるのが岸田派

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広島県選挙区を巡っての醜い派閥抗争がありました。
岸田派は二階派に報復を行うために
岸田派系の地元の地方議員(首長含めて)約100人を使いました。

岸田派との癒着なのか、検察はこの地方議員約100人を不起訴としました。

「河井夫妻から賄賂を受け取った」
などの証言をした連中100人がまとめて不起訴。

なんで贈った方だけ違法にして受け取った方は不問なんだよ!
普通の人はそう考えるでしょう。

検察と岸田派の都合で不起訴にしたところで、
国民は誰も納得するはずがありません。

その後、結局起訴にもっていかれてしまい、
岸田派系の首長や地方議員は
これがために辞職や引退が相次いでいました。

この岸田派の後先考えない派閥抗争優先主義によって起きていたグダグダがようやく一段落しました。

以下、FNNの記事から。

【河井克行元法相「検察の違法な裏取引があった」とコメント 渡辺典子県議が辞職 地元議員が全員有罪確定】
5年前の参議院選挙をめぐり河井克行元法務大臣から現金を受け取った罪に問われ有罪が確定した渡辺典子県議が県議会に辞職願を提出し許可されました。

渡辺県議は2019年の参院選で、河井元法務大臣から妻の案里元参院議員を当選させる目的で現金10万円を受け取った罪に問われ、最高裁は、今月9日付で異議申し立てを退け、罰金10万円、追徴金10万円の有罪判決が確定しました。

渡辺県議は、12日夜「一身上の都合」として県議会に辞職願を提出。
13日の議会で協議され辞職が許可されました。

渡辺県議は「皆さまに感謝とおわびを申し上げたい」とした一方で、「裁判結果については未だに納得できない」とコメントしました。

一方、13日、河井克行元法務大臣がTSSの取材に応じ、先月、渡辺県議の事務所を訪れていたことを明かしました。

【河井克行 元法相】
「(渡辺典子県議は)もう最高裁まで戦ったんで、ある意味すっきりしてますと、『裁判所って、くそだ』って言ってました」

また、大規模買収事件で被買収側の地元議員ら12人すべての有罪判決が確定したことについては…

【河井克行 元法相】
「最高裁まで戦った先生方には敬意を表します。一方でね、地方議員の先生方、なんで真実を河井克行の法廷でおっしゃっていただけなかったのかと」

そのうえで検察の捜査については、改めて不満を漏らしました。

【河井克行 元法相】
「お金を差し上げた方は起訴されて、検察が言うには『100人が受け取った』と(当初は)1人も起訴されないっていうのも、この一事をもってしても、違法な裏取引があったことが強く推認されると」
(2024/12/13 FNN)

以前書きましたが河井夫妻の件は実態は二階派と岸田派の派閥抗争です。

参議院の広島県選挙区は岸田派の指定席でした。
特に岸田派の大幹部である溝手顕正と宮沢洋一の指定席でした。

2019年の参議院選挙では76歳ながら引退する気がない溝手顕正(岸田派)。
対して河井案里(二階派)は溝手がいなくなるまで我慢できない
すぐ国会議員になりたいという立場でした。

これに対して幹事長の二階俊博は二階派を拡大させる方を優先して動きました。

2人区なのでどちらか1人だけに候補者をしぼらなければならないところを調整せずにゴリ押し。
そのうち諦めて溝手が引退を決めてくれれば済むとでも考えたのかもしれません。

元から引っ込む気がない溝手は譲らず、
2人区のうちの(野党の1議席を引いて)1議席を河井と溝手で潰し合う形を作りました。

そこで二階は幹事長として党の金をがっつり積んで
河井夫妻に地元の地方議員への根回しなどをさせました。
党の資金をがっつり使わせてもらった河井陣営、
資金面で大きく差を付けられた溝手陣営。

潰し合いを河井案里が制し、溝手顕正は落選しました。

3年後の2022年は宮沢洋一の指定席なので溝手が出られる可能性はありません。
また、参議院で一度選挙区落選して
6年間我慢して同じ選挙区から復活した事例は自民党では基本的になかったかと思います。
6年という時間は短くはありません。

自分達の足下の広島県選挙区を荒らされて幹部を落とされた岸田派は
この事実に我慢できませんでした。

そこで週刊誌などへのリークなどで河井攻撃を開始。

その際に岸田派の息がかかった地方議員約100人で
「私達は河井夫妻から賄賂を貰いました!」
と自白させるという手に出ました。

検察の方も河井夫妻を有罪に追い込めるのでこれを採用。
あわせてこの岸田派の息のかかった地方議員たちについて全員不起訴としました。

しかしながらそんなので世論を騙せるはずもなく
検察審査会でひっくり返りました。

当たり前です。贈収賄というのは贈る側も受け取る側も違法なのに
河井夫妻の方だけ違法にして
受け取った人達は無罪放免なんて話で国民が納得するはずがないのですから。

一方で渡辺典子県議は自身が受け取った金については
例年通りの政党支部からの寄付であると主張しました。

余計なことをしていなければ本来は無罪となるべきだと思います。

ですが、最高裁は選挙に絡んだその謝礼、つまり買収として違法認定されました。
これにより渡辺典子県議は公民権停止が確定することになります。

はっきり言って要らぬ冤罪を生みそうな判決ではあります。
なのでこうした判決が最高裁で出ることに問題を感じはしますが、
今回取り上げた記事での河井克行元議員の発言にあるように

「地方議員の先生方、なんで真実を河井克行の法廷でおっしゃっていただけなかったのかと」

河井夫妻を有罪に追い込むために
「いえ、寄付ではなく買収です!」
とかやってたわけです。

特に渡辺典子県議は真っ先に裏切って河井潰しの口火を切った議員でした。

テレビカメラの前で聞かれてもいないのに
河井夫妻が選挙違反をやっていたと語り出し、
「河井夫妻は議員辞職するのが筋だ」
「夫妻が平気な顔をして国会に出ていることが許せない」
等々語ってヒロインに成りすましました。

河井夫妻を陥れた地方議員達は
岸田派と検察の癒着なのかさくっとまとめて不起訴になりました。

岸田派はまるで事前にこのことが確実にわかっていたかのように動いたと言えます。

ですが2009年から検察審査会の議決が拘束力を持つようになっているので
検察審査会で引っかかれば最悪強制起訴となります。

結果として岸田派に繋がる地方議員達、首長も含めて
「買収でした!証拠は受け取った私!」
作戦をやった人達が次々に辞職を余儀なくされる大打撃となりました。

今回の渡辺典子議員の最高裁での有罪確定によって
「河井夫妻が買収をやっていた!私達が受け取ったのは買収のお金だ」
とやっていた人達のうち起訴された12人全員の有罪が確定しました。

河井夫妻の時には「正当なお金ではなく賄賂です!」をやっておいて
自分の裁判では「私のは通常の政党支部からの寄付です」
とかいう主張が通用するかと言われたら……
最高裁の判断もそうした背景を考慮したらまぁそういう判決出すよねとなると考えます。

岸田派は派閥抗争となると本当に一手先のことも考えられないのです。
地方議員達は岸田派のお偉方の人達のチープなメンツのせいで使い捨てになったと言えます。

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コメント

  1. 明恵夫人のおかげで石破首相は大統領就任前のトランプ氏と面会出来る運びとなりそうですが、まさか「恩を仇で返す」なんて背信行為はやらないでしょうね?「チープなメンツ」プーチンと空目してしまいました。

  2. 某日本酒議員は裁判にかけられるどころか未だに事情聴取すら受けてませんね。

  3. いつも更新お疲れ様です。

    >3年後の2021年
    ここは2022年です。

    >岸田派は派閥抗争となると本当に一手先のことも考えられないのです。
    >地方議員達は岸田派のお偉方の人達のチープなメンツのせいで使い捨てになったと言えます。
    政治なので権利闘争は付きものなのかもしれませんけど、権力闘争にかまけて党そのものを損ねるようなことをしていては結局自分にも跳ね返ってきますよね。
    そんな近視眼的なことを、その後も繰り返しているのには呆れてしまいます。

    ところで、S沢…じゃなかったM沢さん、何かと評判が悪い感じになってますね。

    • あ、たしかに2022年でした。修正しときました。

  4. >派閥抗争となると一手先も考えずにやり過ぎるのが岸田派
    日本国民の目線で見たら全く以てその通りですよね!
    そして先の総裁選の後の立ち振る舞いを見ていると岸田は権力を握ったら後は強権でどうにかなると思っている節があります。
    要するに駄目な権力者だったということですね。
    日本も良くも悪くも(悪い方が限度を超えてる)官僚政治ですから、言われて事をやってそこそこ持ちこたえたと云うのが本当のところだろうと思います。
    あの脳みその中身は今までのクソ罪務省の国民を顧みない権力支配が描かれているのでしょう。いま話題の税調というクソまみれと同じ脳みそとしか思えません。

    珊瑚は大切に!ぱよぱよち~ん!

  5. 今晩は。
    少しズレますが、今回の衆議院議員選挙で私の地元である広島4区から立候補した寺田稔(宏池会)が選挙区で落選し、比例で当選したのも何となく分かる気がします。
    岸田文雄政権で総務大臣に就任したものの「政治とカネ」に纏わる疑惑が浮上して、更迭されていますから、印象が悪かったのだと思います。
    比例中国ブロックに回っていた新谷正義(茂木派)を小選挙区の候補にしておけば、実家である医療法人・葵会のバックアップもあったでしょうから、空本誠喜(日本維新の会)と接戦になったとしても、選挙区で当選していたかもしれません。
    安倍晋三元総理の暗殺後、お目付役が不在となった事で、自由民主党内で抵抗勢力だった守旧派が息を吹き返し、今のような惨状になったのだと思います。
    河井夫妻事件も郷原信郎とか言うヤメ検左翼弁護士が「全部アベのせい」みたいな事を言って安倍元総理に罪を擦り付けようとしていましたが、その実態は宏池会と志帥会による派閥争いであったことを見事に無視しています。
    自らの「身から出た錆」とは言え、改革派が失墜し、守旧派が息を吹き返したことは、自由民主党にとってはマイナスでしかなく、早急に改革派の復権が望ましいところです。
    案の定、一般人である元総理の未亡人がドナルド・トランプ氏と会って話をしたことで、現政権にパイプがないことが露呈した感があります。
    国内外でグダグダばかりを繰り返す政権よりは、国内外の事情を確りと把握し、決めた政策を実行へと移す安定感のある政権に変わって欲しいものです。

  6. >河井夫妻の時には「正当なお金ではなく賄賂です!」をやっておいて
    自分の裁判では「私のは通常の政党支部からの寄付です」
    とかいう主張が通用するかと言われたら……
    最高裁の判断もそうした背景を考慮したらまぁそういう判決出すよねとなると考えます。

    宮廷政治ここに極まれりwww

  7. 人の裁判で収賄罪を自白したのに、自分の裁判となったら寄付金とは馬鹿が過ぎるというか、地方議員の質の低さを感じるところです。
    法律の勉強を少しくらいして欲しいですね。

  8. 広島県民です。当時、溝手の高齢はひっかかり、河合に投票しました。まあ麻生太郎の方がもっと上ですが。
    権力とか金に直結する話は、どこも揉めるでしょうが、まあ岸田派は少しやり過ぎというかセンスないというか。公金チューチューとかマスゴミの利権とかにしても、「今まで得ていた物がなくなるのは許せない!」をスタートにしていて、善悪はともかく、スタートは同じにも感じます。

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